日産自動車は国内のすべての工場で検査に不備があるまま車を出荷していたとして、21車種、少なくとも6万台の販売を一時、停止すると発表しました。検査に不備がある車の台数はさらに膨らむ可能性があり、日産は、ずさんな検査が常態化していた原因の究明を進めることにしています。
日産自動車は29日夜、記者会見し、国内にあるすべての工場で、完成した車に問題がないか、調べる検査を資格がない従業員が実施し、出荷していたと発表しました。
検査に不備があったのは「ノート」や「キューブ」、それに電気自動車の「リーフ」など21車種、少なくとも6万台で、日産は対象となる車の販売を一時、とりやめ、検査をやり直すとしています。
ただ販売済みの車については台数が特定されていないため、検査に不備がある車の台数は、さらに膨らむ可能性があり、日産は不備があった車が特定されしだい、リコールを実施する方針です。
日産によりますと、不備が見つかったのは出荷前の車の品質を最終的にチェックする「完成検査」で、国のルールに基づいて、一定期間、研修を受け資格を得た従業員が実施することになっていました。
会社側の聞き取り調査に対し、無資格で検査を実施していた従業員は、「疑いなくやっていた」などと話しているということで、国内のすべての工場で検査のルールが徹底されず、ずさんな検査が常態化していたことが明らかになりました。
日産は、こうした事態を重く見て第三者を交えて原因の究明を進めるとともに、国土交通省に再発防止策を報告することにしています。
-- NHK NEWS WEB