大阪の製薬会社「バイエル薬品」が、5年前に薬を発売した際、副作用を把握していたにもかかわらず、国に報告を怠っていたことについて、厚生労働省は医薬品医療機器法違反に当たるとして、業務の改善を求める指導を行いました。
大阪・北区にある製薬会社「バイエル薬品」は、平成24年に血栓症の治療薬、「イグザレルト」を発売しました。
その後、患者へのアンケートを実施した結果、「皮下出血」や「湿疹などの症状」といった副作用を把握したにもかかわらず、法律で定められた期間内に国に報告していませんでした。
厚生労働省によりますと報告を怠っていた副作用は「イグザレルト」を含む4つの医薬品に関する合わせて86例に上り、最長で4年11か月報告を怠っていたということです。
理由は、社員がアンケート情報を報告すべき対象だと認識していなかったことや、ほかの社員がすでに報告したと思い込んでいたことなどがあったとということです。
厚生労働省は医薬品医療機器法に違反するとしてバイエル薬品に対し、副作用の報告漏れがないか社内で定期的に点検することなどの業務の改善を求め、1か月以内に再発防止策を提出するよう指導しました。
バイエル薬品は「今回の改善指導を真摯(しんし)に受け止め、信頼回復に努めたい」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB