トヨタ自動車は、オーストラリアの通貨高や人件費の上昇などで採算が悪化したことから、半世紀以上にわたって行ってきたオーストラリアでの車の生産を3日、終了しました。
トヨタ自動車は、1963年からオーストラリアでの生産を始め、これまでに隣国ニュージーランドや中東などへの輸出分も含めて、345万台余りを生産してきました。
しかし、オーストラリアの通貨高や人件費の上昇などで採算が悪化したことから、南東部メルボルンの郊外にある工場の閉鎖を決め、3日、生産を終了しました。
半世紀以上にわたる現地生産の歴史に幕を下ろすにあたって、工場では、従業員や販売店の関係者などおよそ3000人が出席して式典が開かれ、現地法人のバトナー社長は「トヨタは、オーストラリアにおいて品質や信頼の代名詞となった。これからも大きな存在感を示すだろう」と述べ、感謝の気持ちを表しました。
トヨタは今後、従業員の数を現在の3分の1に当たるおよそ1300人まで削減したうえで、輸入車の販売を中心に事業を続けることにしています。
オーストラリアでは、去年10月にアメリカのフォードが生産を停止したほか、今月20日には、アメリカのGM=ゼネラル・モーターズの傘下にある、唯一の国産自動車メーカーも生産を終える予定で、オーストラリアで車を生産するメーカーは姿を消すことになります。
-- NHK NEWS WEB