イラン政府は、アメリカのボーイング社と旅客機80機を1兆9000億円余りで購入する売買契約を結んだと発表し、アメリカ企業との大型契約を強調することで、トランプ次期大統領にイランの核開発問題をめぐる合意の尊重を促す狙いもあるとみられます。
イラン政府は11日、国営のイラン航空がアメリカのボーイング社から旅客機80機を購入する契約を結んだと発表しました。旅客機は今後10年の間に納入される計画で、契約額は166億ドル(1兆9000億円余り)と、イランで親米の王政が打倒された1979年のイスラム革命以降、両国の間で行われる商取引としては最大となります。
イランへの旅客機の輸出は、イランが去年7月、核開発問題をめぐって欧米などと結んだ最終合意で解禁されたものです。これを受けて、ことし6月にイランとボーイング社が旅客機の購入に向けて大筋で合意し、必要な手続きが進められていました。
しかし、アメリカのトランプ次期大統領はイランの核開発問題をめぐる合意を破棄する考えを示すなど、イランへの圧力を強める構えを見せています。今回の契約を受けてイランの担当閣僚は、「アメリカ政府が、自国の企業が求めるように、合意を守り続けることを望んでいる」と述べています。
イラン政府としては、アメリカ企業との大型契約を強調することで、トランプ次期大統領にイランの核合意の尊重を促す狙いもあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB