アメリカのペンス副大統領は、宇宙開発でアメリカが先頭に立つ必要があるとして月にアメリカの宇宙飛行士を再び送る計画を発表するとともに、火星などへの有人探査に向けた拠点を月に築く方針を明らかにしました。
アメリカ・トランプ政権は有人による宇宙探査に力を入れる方針で、新たに立ち上げた「国家宇宙会議」の初会合が5日、首都ワシントン近郊で開催されました。
議長を務めるペンス副大統領が演説し「アメリカのリーダーシップの欠如で、ほかの国が宇宙開発の主導権を握る機会を得た」と述べて、前のオバマ政権の宇宙政策を批判するとともに、ロシアと中国がアメリカを脅かす技術の獲得を目指しているとして危機感を示しました。
そのうえで「アメリカは再び宇宙開発の先頭に立っていく」と述べ、月に再びアメリカの宇宙飛行士を送る計画を発表しました。
そして「月に足跡や国旗を残すだけでなく、火星やそれを越える宇宙探査にアメリカ人を送るための拠点を築く」と述べ、火星などへの有人探査に向けた拠点を月に築く方針を明らかにしました。
アメリカでは、前のオバマ政権が月にはすでに人類が到達したとしてその前のブッシュ政権が進めてきた月への飛行計画をやめ、火星への有人飛行を目標に据えましたが、トランプ政権は再び月を短期的な目標に掲げたもので、実現に向けて今後、民間企業の協力も求めていくとしています。
-- NHK NEWS WEB