指紋や静脈など体の特徴で個人を識別する「生体認証」の活用が広がる中、大手金融グループが、カードや現金を持ち歩かなくても、カメラに顔を向ければ支払いができるいわば“顔パス”のシステムの実用化に向けて、実証実験を始めました。
この“顔パス”のシステムは、大手金融グループが、電機メーカーと共同で開発し、グループ会社の社員食堂で実証実験を始めました。
食堂に設置された機械で、メニューを選ぶボタンを押すと、備え付けのカメラが顔を撮影し、事前に登録された顔のデータと一致すれば、代金が給与から天引きされる仕組みです。
金融機関の間では、指紋や手の静脈の形を示せば、口座の開設や支払いができるサービスが広がっていますが、今回のシステムについて、大手金融グループは、識別のスピードが早く、なりすましがより難しいとしていて、システムの使い勝手や安全性の面でも、競争が激しくなっています。
今回の実験は、1400人の社員が参加して2か月間行い、認証の精度などに問題がないかを確認したうえで、来年度中の実用化を目指すことにしています。
三井住友フィナンシャルグループの竹田達哉さんは、「現金やカードを持ち歩きたくないスポーツクラブのような場所で活用が進むと考えている」と話しています。
-- NHK NEWS WEB