UAE=アラブ首長国連邦で日本企業が保有する海上油田の権益が来年期限を迎え、中国などが新規参入を目指していることから、世耕経済産業大臣が現地の石油会社トップと会談し、この権益を日本がこれまでどおり確保できるよう要請しました。
日本は輸入する原油の4分の1をUAEに依存しており、日本企業はUAEの主要な海上油田群の12%の権益を保持し、優先的に取り引きしています。
この権益が来年3月に期限を迎えることから、世耕大臣は8日、UAEを訪問してアブダビ国営石油会社のジャベルCEOなどと会談し、海上油田の権益を日本がこれまでどおり確保できるよう要請しました。
UAEの油田の権益には中国やフランスなどが新規の参入や権益の拡大を目指しており、アブダビ国営石油会社はこれらの国々の10以上の企業と交渉するなど、契約先を拡大する方針を示しています。
権益をめぐる各国の争奪戦が過熱する中、日本とUAEとの交渉は年末にかけてヤマ場を迎えると見られます。
日本は今回、アブダビ国営石油会社との間で覚書を締結し、相手側が望む海外展開などで協力することになりました。
世耕大臣は会談後、記者会見で「日本の誠実な貢献について一定の理解が得られた。交渉は今後も予断を許さないが、現地の産業の多角化に協力するなど官民で連携して努力していきたい」と述べ、UAEが日本側の努力を評価することに期待を示しました。
-- NHK NEWS WEB