大手鉄鋼メーカーの「神戸製鋼所」が、アルミ製品や銅製品の一部で強度などのデータを改ざんしていた問題で、出荷した製品が新幹線の部品の一部などとして使われていたことがわかりました。安全性や耐久性に問題はないということですが、各社が対応に追われるなど影響が広がっています。
この問題は、神戸製鋼がことし8月末までの1年間に出荷したアルミや銅製品の一部で各メーカーに事前に約束した強度などを満たしていないにもかかわらず、検査証明書のデータを書き換えるなどして出荷していたものです。
出荷先はおよそ200社にのぼり、これまでに三菱重工業の子会社が開発中の国産ジェット旅客機「MRJ」の一部やトヨタ自動車の一部の車のボンネットなどに使われていたことがわかっています。
これに加え、マツダとSUBARUは問題の製品が一部の車の部品として使われていたことを明らかにし、国土交通省は9日、自動車メーカー各社に対し問題の製品の使用状況を確認するよう要請しました。
このほかJR東海は問題の製品が新幹線の台車の部品などに使われていたことを明らかにし、今後、定期点検の際に部品の交換を検討するとしています。
さらに川崎重工業とSUBARUは、アメリカのボーイングから受注した航空機の機体の部品として使われた可能性があるとしています。
各社とも今のところ安全性や耐久性に問題はないとしていますが、確認作業に追われるなど影響が広がっていて、神戸製鋼のずさんな品質管理に対する批判が強まっています。
-- NHK NEWS WEB