東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の建設現場で働いていた男性が自殺した問題で、労働基準監督署は月190時間に上る極度の残業による過労が原因だったとして、労災と認定しました。
労災が認められたのは新国立競技場の地盤改良工事の下請けに入っていた、東京・台東区の建設会社「三信建設工業」に去年4月に入社し、ことし3月に自殺した23歳の男性です。
会見した遺族の代理人の弁護士によりますと、男性は建築資材の品質管理などに当たっていましたが、労働基準監督署が建設現場の入退場の時刻などを調査したところ、男性は自殺直前の1か月間の時間外の労働時間が190時間に上った結果、精神疾患を発症していたと見られるということです。
労働基準監督署は極度の残業による過労が原因だとして、今月6日、労災と認定しました。
男性の両親は「忍耐強い息子を助けてやれなかったことが、私達にとって痛恨の極みです。息子の笑顔を二度と見ることができない悲しみは生涯癒えることはありません。この様な不幸を二度と繰り返さないよう、深い反省のもと、社員の労働環境の改善に力を尽くしていただきたいと思います」と話しています。
三信建設工業は「改めて事実を重く受け止め、ご遺族に対して心よりおわび申し上げます。二度と繰り返さないよう、深い反省のもと、労働環境の改善に力を尽くして参ります」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB