中国南部の広東省で日本企業が製造した、世界最高レベルの速度で上昇するエレベーターが報道陣に公開され、景気の減速が進む中国で受注競争が激しさを増しています。
12日、公開されたのは、日本の大手電機メーカー「日立製作所」が製造した世界最高レベルの秒速20メートル、時速72キロで上昇するエレベーターです。
このエレベーターは、中国南部の広東省広州にある高さ530メートルの高層ビルに設置され、地上1階から95階までの440メートルを43秒で結びます。
メーカーではエレベーターの振動を抑える装置を新たに開発したということで、エレベーターの床に立たせた硬貨が倒れることなく95階まで上昇することをアピールしていました。
中国では景気の減速が進む中でビルなどの不動産への投資が伸び悩んでいます。
このため、エレベーターの受注競争も激しさを増していて、「三菱電機」が上海の高層ビルに納入したエレベーターは秒速20.5メートルと日立製を秒速0.5メートル上回り、先週、ギネス世界記録に認定されています。
「日立エレベーター中国」の水本真治総裁は「中国は、世界のエレベーター需要の6割を占める巨大市場だ。乗り心地と安全性にこだわったエレベーターを引き続き開発していきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB