福岡市の建築士事務所に所属する一級建築士が、設計を担当した福岡県と長崎県のマンションや住宅などの「建築確認」の申請を行わず、証明書を偽造するなどの不正を行っていたことから、国土交通省はこの一級建築士の免許を取り消しました。完成した建物の安全性には問題はないということです。
免許を取り消されたのは福岡市内の建築士事務所に所属する内山秀紀一級建築士です。
国土交通省によりますと、内山建築士は、福岡市内のマンションや住宅、それに長崎県佐世保市のLPGガスの容器の倉庫の4つの建物について、工事に入る前に必要な建築基準法などに適合していることを示す建築確認の申請を行っていませんでした。このうち3つの建物については確認が行われたことを示す書類を自分で偽造していたほか、残りの1つについては、「確認が下りた」と口頭で工事をする建設会社に報告していたということです。
また、これとは別の福岡市内の住宅については、建築確認の申請をしたものの審査機関から是正するよう指摘を受けた点を無視し、そのまま工事を続けたということです。違反のあった建物のうち、LPGガスの容器の倉庫のみ完成していましたが、確認の結果、安全性に問題はなく、このほかの建物は違反がわかった段階ですべて工事を中止し、別の建築士が確認申請を行ったということです。
国土交通省によりますと、内山一級建築士は、「確認申請の様式をパソコンからダウンロードしたが入力がやりにくかった。建設会社からも早く工事をしたいと言われ着工してしまった」などと話しているということです。
-- NHK NEWS WEB