アメリカのトランプ大統領は、議会で暗礁に乗り上げている医療保険制度、いわゆるオバマケアの見直しを進めるため大統領令に署名したのに続いて、保険会社への補助金を打ち切ると発表し、制度の根幹が揺らぐ可能性も出ています。
トランプ大統領は、オバマ前政権が導入した医療保険制度、いわゆるオバマケアの見直しを重要な公約の1つに掲げていますが、議会では、野党・民主党に加えて与党・共和党の一部の反対で、必要な法案が可決されず、暗礁に乗り上げています。
このため、トランプ大統領は12日、ホワイトハウスで大統領令に署名し、みずからの権限で一部見直しに着手しました。
そして、「数か月のうちに、国民にもっと安心や自由を提供するため、新たな措置を取るとともに、議会に対し、オバマケアを撤廃して別の制度に代えるよう強く働きかけていく」と述べ、全面的な見直しを目指す考えを示しました。
さらに、ホワイトハウスは、オバマケアのもと低所得者の保険加入を支援するために保険会社に支払われている補助金を打ち切ると発表し、制度の根幹が揺らぐ可能性も出ています。
これに対して、民主党の全国委員会は声明を出し、「多くの国民の保険料が高くなり、保険を失う人も出るだろう。トランプ大統領は、意図的にオバマケアを混乱に陥れようとしている」と批判していて、反発が広がりそうです。
-- NHK NEWS WEB