イギリスで16日、大手電機メーカーの日立製作所が新幹線の技術を生かして製造した高速鉄道の車両が営業運転を始め、鉄道発祥の地での実績が日本メーカーの受注拡大につながるか注目されます。
イギリスでは、主要都市を結ぶ鉄道で老朽化した車両を更新する総事業費8000億円のプロジェクトが進行中で、日立製作所が866両の車両の製造を受注しています。
16日、首都ロンドンとウェールズ地方の300キロを結ぶ路線で、この車両を使った営業運転が始まり、緑色の真新しい列車が大勢の客を乗せてロンドンの駅を出発しました。
最高時速は200キロで、騒音を抑える工夫などに新幹線の技術が導入されていて、乗客は「とても静かで乗りやすい」とか「車内がきれいで快適です」と話していました。
今回の車両は、山口県で製造してイギリスで仕上げたもので、今後は、納入される列車の大半が現地で生産されます。
ボディには神戸製鋼所がデータを改ざんしていた製品が使われていますが、日立の正井健太郎常務は「きちんと検証をしており安全性に問題ない。今回の問題は残念だが安全な製品を届けることがメーカーの責務だ」と強調しました。
鉄道発祥の地、イギリスでは、ロンドンと中部の主要都市を時速360キロで結ぶヨーロッパ最大規模の鉄道プロジェクトも計画されていますが、メーカーの競争は激しさを増していて、今回の実績が日本メーカーの受注拡大につながるか注目されます。
-- NHK NEWS WEB