地中海の島国マルタで16日、いわゆる「パナマ文書」の報道に加わった地元の女性記者の運転する車が爆発し、女性は殺害されました。調査報道を続けてきた記者が、爆弾で殺害されたことに衝撃が広がっています。
地中海の島国マルタの地元メディアによりますと、16日、マルタ本島北部で地元の記者、ダフネ・カルアナガリチアさん(53)の運転する車が自宅を出発した直後に爆発しました。
車は道路脇にある畑まで吹き飛ばされて大破し、カルアナガリチアさんは死亡しました。
カルアナガリチアさんは、マルタで政治家の腐敗を厳しく追及する記者として知られていて、世界各国の首脳などによる資産隠しや課税逃れを暴いた「パナマ文書」の調査報道にも加わり、マルタのムスカット首相の妻が中米パナマに会社を置いて資産を隠していたとする疑惑を報じていました。
ムスカット首相は、カルアナガリチアさんは殺害されたとして「彼女は私にとって最も厳しい批判者だったが、このような野蛮な行為は正当化できない。報道の自由に対する攻撃だ」と非難し、徹底的に捜査するよう関係機関に指示しました。
地元メディアは、カルアナガリチアさんが殺害の2週間前に脅迫を受けているとして、警察に相談をしていたと伝えるなど、調査報道を続けてきた記者が殺害されたことに、衝撃が広がっています。
-- NHK NEWS WEB