中小企業の経営を支援している独立行政法人「中小企業基盤整備機構」の資産を会計検査院が調べたところ、国が購入し管理を任された中小のベンチャー企業などの株の売却益およそ32億円を、使う目的のないまま現金や債券で保有していることがわかり、検査院は国に返納するよう求めました。
「中小企業基盤整備機構」は、中小企業の販路拡大や人材育成などを支援している独立行政法人で、10年余り前に、国が購入した中小のベンチャー企業などの株の管理を別の特殊法人から引き継ぎ順次、売却する業務も行っています。
会計検査院がことし3月末の時点の機構の資産状況を調べたところ、株の売却益およそ63億円を現金や債券で保有し、このうち32億円は業務に必要がなく、使う目的がないことがわかりました。
機構によりますと株を引き継いだ際、評価額の下落によって14億円余りの欠損金があったため、売却益をなるべく多く運用にまわし利益をだすことで埋め合わせをしようと考えていたということです。
独立行政法人の資産は法律で業務に必要がなくなった場合には国に返納するよう定められていて、検査院は32億円を国へ返納するよう求めました。
これについて、中小企業基盤整備機構は「指摘を真摯(しんし)に受け止めて、国庫に納付するための手続きを進めていきたい」としています。
-- NHK NEWS WEB