アメリカではAI=人工知能の普及によって多くの職が失われるのではないかとして、政府がすべての人に一定額を支給するベーシックインカムの議論が活発になるなか、導入について考えるシンポジウムが開かれました。
ベーシックインカムは政府がすべての人に無条件で一定額を支給する社会保障制度で、フィンランドやカナダの一部で実証実験が行われています。
アメリカでもAIが普及することで多くの職が失われるのではないかという見方から議論が活発になっており、19日、サンフランシスコでシンポジウムが開かれました。
ことし6月、ベーシックインカムの導入を検討するための法律が成立したハワイ州のクリス・リー州議会議員は「経済はかつてない勢いで変化している」と述べて、財源や金額などの議論を急ぐ考えを示しました。
またカリフォルニア州で小規模な実証実験を行っている投資ファンドの担当者は、来年新たに2つの州で3000人を対象に3年から5年程度、毎月、最大1000ドル、日本円でおよそ12万円を支給して、働く意欲などについて検証することを明らかにしました。
アメリカではフェイスブックのザッカーバーグCEOや電気自動車メーカー、テスラのマスクCEOがベーシックインカムの必要性を主張しているほか、クリントン元国務長官が去年の大統領選挙で公約として検討したものの財源を確保できないとして断念したことを先月、明らかにするなど関心が高まっています。
-- NHK NEWS WEB