オーストラリアでは自動車メーカーが通貨高や人件費の上昇を背景に相次いで生産を取りやめる中、唯一の国産メーカーが20日で生産を終了し、これによりオーストラリアで車を生産するメーカーは無くなりました。
オーストラリア唯一の国産自動車メーカーで、アメリカのGM=ゼネラル・モーターズ傘下のホールデンは、1948年から自社ブランドの生産を始め、これまでに768万台余りを生産してきました。
しかしオーストラリアの通貨高や人件費の上昇などで採算が悪化し、20日で生産を終了することになりました。
南部アデレード近郊にある工場では最後の1台となる赤いセダンが作られ、従業員たちが時折、写真を撮りながらエンジンや座席などを組み込んでいきました。
ホールデンは今後、車の設計や海外で製造されるGM傘下の車の販売などの事業を続けることにしています。
ホールデンのマーク・バーンハード社長は「きょうは従業員とともに築き上げてきた歴史をたたえた。今後も最高の安全性と技術を持つ車をオーストラリアに届けていく」と述べました。
オーストラリアでは、去年10月にアメリカのフォードが、今月3日にはトヨタ自動車が生産を取りやめ、オーストラリアで車を生産するメーカーは20日ですべて無くなりました。
-- NHK NEWS WEB