大手広告会社「電通」が社員に違法な残業をさせたとして労働基準法違反の罪に問われた裁判で、電通は東京簡易裁判所の判決に対して控訴せず、罰金刑が確定する見通しです。
電通は、新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が過労のため自殺したことをきっかけに捜査を受け、高橋さんなど社員4人に違法な残業をさせたとして労働基準法違反の罪に問われました。
今月6日の判決で東京簡易裁判所は「違法な長時間労働が常態化し、サービス残業がまん延していた」などと指摘し、検察の求刑どおり罰金50万円の判決を言い渡しました。
判決に対する控訴の期限は20日ですが、電通は控訴しない方針を明らかにしています。
働き方改革の議論に大きな影響を与えた今回の事件は、電通の責任を認めて罰金刑を言い渡した判決が確定し、終結する見通しです。
電通の山本敏博社長は今月6日の判決のあと取材に対して「法律を順守し過重労働を根絶し、労働環境をよいものにすることをおわびとともに約束させていただきます」と述べています。
-- NHK NEWS WEB