デパート最大手の三越伊勢丹ホールディングスは、傘下の高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」の立て直しを図るため、スーパーの再建で実績のある投資ファンドに株式の6割余りを売却することになりました。
発表によりますと、三越伊勢丹ホールディングスは、クイーンズ伊勢丹の事業などを新たに設立する会社に移したうえで、来年3月末をめどに、この会社の株式の66%を三菱商事系の投資ファンド「丸の内キャピタル」に売却します。
クイーンズ伊勢丹は、産地にこだわった生鮮食品や輸入食材など、比較的高い価格帯の商品が中心のスーパーで、首都圏に17店舗を展開しています。しかし、5期連続で赤字が続いていることから、高級スーパー「成城石井」の再建で実績のある丸の内キャピタルの下で立て直しを目指すことになりました。株式の売却後も、「クイーンズ伊勢丹」の店名はそのままで営業を続けるということです。
記者会見で、三越伊勢丹ホールディングスの伊倉秀彦構造改革推進部長は「スピード感を持って業績を回復させるため、外部の力を借りることを決めた」と述べました。
三越伊勢丹は、ネット通販や専門店との競争や地方店舗の不振などで業績が低迷していて、人件費の削減に向けた早期退職制度の拡充や地方店舗の閉鎖など、業績改善への取り組みを相次いで打ち出しています。
-- NHK NEWS WEB