政府系金融機関の商工中金は、中小企業を支援する国の制度をめぐる不正融資問題で、不正な融資の件数が4600件余りに上るなどとした内部調査をまとめました。これを受けて政府は商工中金に対し、異例の2回目となる業務改善命令を出して経営態勢の抜本的な見直しなどを指示しました。
商工中金は景気悪化などで一時的に資金繰りが悪化した中小企業を支援する制度の「危機対応融資」をめぐる不正な融資について、内部調査の結果をまとめました。
それによりますと不正な融資は100店舗のうち97店舗で行われ、件数は合わせて4609件で、融資の実行額は合わせて2646億円余り、関与した職員は退職者を含めて444人に上るとしています。
これを受けて中小企業庁の安藤久佳長官は、25日午後、商工中金の安達健祐社長に対し、監督官庁となっている経済産業省と財務省、金融庁による異例の2回目となる業務改善命令を出し、経営態勢の抜本的な見直しなどを指示しました。
また経済産業省は、世耕経済産業大臣が2か月分の給与を自主返納するほか、嶋田事務次官と中小企業庁の安藤長官が2か月分の給与の10%を自主返納することを発表しました。
一方、商工中金は不正融資問題の責任を明確化するため、経済産業省の元事務次官の安達社長について月額報酬を6か月間100%カットするほか、合わせて813人に上る職員を対象にした処分を発表しました。
また、安達社長は一連の責任をとって後任のめどがつくなどした段階で退任することを明らかにしました。
-- NHK NEWS WEB