自動車メーカーのSUBARUは、群馬県の工場で資格のない従業員が車の出荷前の検査をしていたことを正式に発表しました。
これは、SUBARUの吉永泰之社長が27日午後5時から記者会見して明らかにしました。
それによりますと、SUBARUの群馬県太田市の工場「群馬製作所」で、検査の資格を取るために研修中の従業員が、国に義務づけられた出荷前の車の検査をしていたとしています。
また、研修中の従業員は、資格がある検査員から借りたはんこを、検査を証明する書類に押していたということです。
SUBARUは、今月30日にこうした内容を国土交通省に正式に報告するとともに、出荷したおよそ25万5000台のリコールを検討するとして、必要な経費は50億円余りになるという見通しを示しました。
今回の問題について、SUBARUの吉永社長は「当社の自動車の完成検査について多大なご迷惑とご心配をおかけして申し訳ありません。心からおわびします」と述べ、陳謝しました。
そのうえで、吉永社長は「30年以上前からずっとこの仕組みでやっていた。完成検査は非常に重要な行為なので、よりきちんとやっているつもりだった。まずいという認識がないままやってきた」と述べ、社内の仕組みとして続いていたという認識を示しました。
また、吉永社長は、経営責任について「責任を感じている。会社としての実力がまだまだついてないと実感していて、もう一段、会社の実力を上げていくことに全力を尽くしたい」と述べ、再発防止などに責任を果たしたいという考えを示しました。
日産自動車に続いて、SUBARUでも不適切な検査が明らかになったことで、日本の自動車メーカーの品質管理態勢が問われる事態になっています。
-- NHK NEWS WEB