リーダーが不在となった国際社会の現状を「Gゼロ」と名付けたことで知られる国際政治学者のイアン・ブレマー氏が26日、都内で講演し、中国の影響力が今後も大きくなり、国際社会のリーダーになる可能性を指摘しました。
アメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」の社長で、国際政治学者のブレマー氏は、中国など新興国の台頭で、アメリカの相対的な影響力が低下し、リーダーが不在となった国際社会の現状を「Gゼロ」と名付けたことで知られています。
26日、都内で開かれたシンポジウムで、ブレマー氏は「中国が思ったよりも早く超大国になりつつある。誰もがいずれはそうなると予想していたが、世界のほかの地域があまりにも弱くなっていて、いま『Gゼロ』は分岐点を迎えている」と述べ、中国が今後、国際社会のリーダーになる可能性を指摘しました。
また、北朝鮮問題をめぐる中国の対応について、「北朝鮮は中国にとっても脅威になりつつあり、この問題に建設的に取り組んでいる」と評価したうえで、アメリカのトランプ大統領とキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の行動が予想できず、北朝鮮情勢は緊迫化していると述べました。
さらに、日本について、アメリカとの関係を強化するだけでなく、中国ともバランスのとれた関係を構築していくことが国益につながると強調しました。
-- NHK NEWS WEB