スペインからの一方的な独立宣言を州議会で可決したカタルーニャ州では、各地で独立を支持する動きが広がるなか、社会や経済の混乱を懸念する市民もいて、こうした人たちが州都バルセロナで大規模なデモを行って独立に反対する姿勢をアピールすることにしています。
スペイン北東部のカタルーニャ州の議会で、27日、一方的な独立宣言が可決されたことを受けて、スペイン政府は州の自治権を停止し、プチデモン州首相などを解任して直接統治に乗り出しています。
これに対してプチデモン氏は、市民に民主的な抵抗を呼びかけて対決姿勢を鮮明にしていて、州内の各地では、市役所に掲げられていたスペイン国旗が取り外されるなど、独立を支持する動きが広がっています。
一方で州内には、独立宣言による社会や経済の混乱を懸念する市民もいて、こうした人たちが、日本時間の午後8時からバルセロナ中心部で独立に反対する大規模なデモを行うことにしています。
州内では、今月1日の住民投票のあと1700社を超える企業が法律上の本拠地を州外に移転しているほか、観光客や外国からの投資も減っていると伝えられています。
スペインの有力紙エルパイスは、29日、州議会による採決の前にカタルーニャの住民500人を対象に行った世論調査の結果を伝えていて、それによりますと、一方的な独立宣言に対して「反対」と答えたのは55%で、「賛成」の41%を上回っています。
デモで参加者は、独立に反対する姿勢をアピールすることにしていますが、一方的な独立宣言で喜びに沸く市民との間で混乱が起きるおそれもあり、現地では緊張感が漂っています。
-- NHK NEWS WEB