検査データの改ざんが相次いで明らかになった神戸製鋼所は30日、来年3月期の決算の見通しを発表しました。一連の問題を受けて、部品の交換費用の請求などがどこまで広がるか見通せないとして、3年ぶりの黒字を見込んでいた最終的な損益を「未定」とし、開示を見送る事態となりました。
神戸製鋼は、今月8日以降、アルミや銅、鉄鋼製品などで強度などの検査データの改ざんを繰り返していたことが相次いで明らかになっています。
会社は30日に来年3月期のグループ全体の決算の見通しを発表し、一連の問題を受けて生産量の落ち込みは避けられないとして、本業の利益にあたる営業利益を50億円下方修正し、750億円としました。
そのうえで、最終的な損益については、取引先からの部品の交換費用の請求などがどこまで広がるか見通せないとして、3年ぶりに350億円の黒字を見込んでいた予想を「未定」とし、開示を見送りました。
また、2年ぶりに実施するとしていた中間配当も取りやめるとしています。
神戸製鋼の梅原尚人副社長は記者会見で、「不正のない製品についても、神戸製鋼に対する不安や疑問を持つ顧客が他社に注文する動きが出る可能性はある」と述べ、業績の悪化は避けられないという認識を示しました。
-- NHK NEWS WEB