埼玉県上尾市の市長と市議会の議長が、市のゴミ処理施設に関する事業の予定価格などを業者に漏らしたとして、官製談合防止法違反や入札妨害の疑いで逮捕されました。議長は現金数十万円を受け取ったあっせん収賄の疑いでも逮捕され、警察は、市役所など関係先を捜索し、詳しい経緯を調べています。
逮捕されたのは、埼玉県上尾市の市長、島村穣容疑者(73)と、上尾市議会の議長、田中守容疑者(72)、それにさいたま市浦和区の設備管理会社「明石産業」の社長、山田明容疑者(82)ら合わせて4人です。
警察によりますと、島村市長と田中議長は、ことし1月末に行われた、市のゴミ処理施設「西貝塚環境センター」でペットボトルを処理する業務の入札をめぐって、さいたま市内の飲食店などで予定価格などを事前に業者に漏らしたとして、官製談合防止法違反と入札妨害の疑いが持たれています。
また、田中議長は、現金数十万円を受け取ったとしてあっせん収賄の疑い、山田社長ら業者側は贈賄の疑いも持たれています。警察は、今後の捜査に支障があるなどとして、認否を明らかにしていません。
市のゴミ処理施設では、民間に業務を委託していて、3年ごとに業者を選定する入札を行っていて、警察は、今夜、市役所など関係先およそ30か所の捜索に入りました。市役所には、捜査員30人余りが捜索に入り、入札に関係する部署を中心に調べたものと見られ、警察は、市長や議長が関わったとされる不正の詳しい経緯を調べています。
-- NHK NEWS WEB