慢性的な交通渋滞が課題となっているロシアの首都モスクワで、日本の信号システムの導入を目指す実証実験が行われ、関係者が事業化に向けて期待を示しました。
ロシアの首都モスクワは慢性的な交通渋滞が課題になっていて、アメリカの分析会社は、ドライバーが渋滞に費やす時間は世界の主要都市の中でロサンゼルスに次いで2番目に長いと指摘しています。
NEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構は、日本メーカーの信号システムの導入に向け、協力を続けていて、モスクワで行った実証実験の報告会が先月31日、行われました。
この信号システムは交差点に入る車の数をセンサーで把握して、渋滞が起きないよう信号機の待ち時間を制御できるということで、ことし7月から8月にかけてモスクワ市内の5つの交差点で実験したところ、渋滞を最大で40%緩和する効果があったということです。
日本政府は、北方領土問題の解決に向けた環境整備の一環として、8項目の協力プランを掲げ、ロシアとの経済協力の前進を図っていて、この信号システムもその一部として注目されています。
報告を行ったNEDOの沼田光紗主任は、「実証事業だけでなく普及も8項目のプランに入っている。ロシア各地の渋滞を改善したい」と述べ、事業化に向けて期待を示しました。
-- NHK NEWS WEB