大手電機メーカーの富士通は、中国のパソコンメーカー、レノボ・グループとパソコン事業を統合すると正式に発表しました。
富士通は、「FMV」のブランドで展開しているパソコン事業について、中国のレノボ・グループと統合することで、2日に正式に契約を結びました。
発表によりますと、富士通は、来年6月末までをめどにパソコン事業を手がける子会社の株式の51%をレノボ側に売却し、経営の主導権を引き渡す形で事業を統合します。売却額は255億円で、開発や部品の調達などをレノボと共同で行うことで収益力の向上を図る考えです。
富士通のパソコン事業は、スマートフォンの普及や海外メーカーと競争で業績が伸び悩み、去年10月、レノボとの間で統合を検討していることを発表していました。
統合後も「FMV」のブランドは維持し、島根県出雲市にあるパソコンの工場など国内3つの製造拠点もそのまま維持するということです。
記者会見で富士通の田中達也社長は「富士通は部品の調達力や規模の面で課題があったが、今回の統合で大きな力を持つ」と述べました。
一方、レノボ・グループの楊元慶CEOは「ビジネスがより大きくなるのでこのまま維持していくのが基本的な考え方だ」と述べ、国内の製造拠点を維持する考えを強調しました。
パソコン事業は、かつて日本の電機メーカーの世界的な躍進の象徴でしたが、アメリカや中国などのメーカーに押され、事業の売却・縮小や他社と統合する動きが相次いでいます。
-- NHK NEWS WEB