安倍総理大臣は、15日、日本を訪れるロシアのプーチン大統領と、地元の山口県で日ロ首脳会談に臨むことにしています。会談では、北方領土問題を含む平和条約交渉の前進を目指し、北方四島での共同経済活動や自由な人の往来の実現に向けて意見が交わされる見通しで、具体的な合意点を打ち出せるかどうかが焦点です。
安倍総理大臣は、15日、日本を訪れるロシアのプーチン大統領と、地元の山口県長門市の温泉旅館で日ロ首脳会談を行うほか、16日には東京に移動し、改めて会談することにしています。
安倍総理大臣とプーチン大統領の首脳会談は、先月のペルーでの会談に続くもので、第1次安倍内閣を含めると16回目です。また、プーチン大統領の日本訪問は6回目で、首相を務めていた2009年5月以来となります。
安倍総理大臣は、15日の首脳会談で、北方領土問題を含む平和条約交渉の前進を目指し、新しい発想のアプローチに基づいて北方四島の帰属の問題を脇に置き、まずは四島での共同経済活動や自由な人の往来の実現に向けて意見を交わすことにしています。
ただ、日ロ政府間の調整で、ロシア側が北方領土では自国の法律の下で共同経済活動を行うよう求めているのに対し、日本側は、北方領土をめぐる日本の法的な立場が侵されかねないとして慎重な姿勢を示し、折り合いがついていません。
安倍総理大臣は、共同経済活動などによって、四島に住むロシア人と元島民ら日本人との関係を構築することを通じ、70年余り進展がみられなかった領土交渉の前進につなげたい考えで、今回の首脳会談で、具体的な合意点を打ち出せるかどうかが焦点です。
一方、16日、東京で行われる首脳会談には、日ロ双方の企業関係者らも出席する方向で調整が進められていて、先に安倍総理大臣が提案した8項目の経済協力プランをめぐって、政府間や企業間でこれまでに合意できた内容を確認することにしています。
そして、安倍総理大臣とプーチン大統領は会談のあとにそろって記者会見し、2日間にわたった会談の成果を発表するとともに、経済協力プランに関する合意文書の交換式にも立ち会うことにしています。
-- NHK NEWS WEB