「神戸製鋼所」が製品の検査データの改ざんを繰り返していた問題で、現場の従業員だけでなく、過去の複数の役員も不正を認識していたことが関係者への取材でわかりました。長年にわたって不正が黙認されていたということで、会社の法令順守の姿勢が厳しく問われることになりそうです。
神戸製鋼は、アルミや銅など多くの製品で強度などの検査データの改ざんが相次いで発覚し、これまでに不正に関わっていた従業員は工場の担当者などこの1年間だけで数十人に上ることが明らかになっています。
会社側は過去も含めて本社の役員が不正を知っていたかどうかについては調査中だとして、公表していませんが、過去の複数の役員がデータの改ざんを認識していたことが関係者への取材で新たにわかりました。
不正を認識していた役員はいずれもアルミなどを製造する工場で勤務していたときに、データの改ざんを知ったということで、その後、工場長などを経て本社の役員になりましたが、不正については黙認していたということです。
また、検査データの改ざんは少なくとも40年ほど前から行われていたということで、会社の経営陣の間で不正の情報が共有されず、対策が取られませんでした。
元役員の1人はNHKの取材に対し、複数の役員が不正を認識していたことを認めたうえで、「不正の背景には納期優先、コスト優先の考えがあり、工場にプレッシャーをかけた経営陣にも責任がある」と話しています。
神戸製鋼の一連の問題では、弁護士でつくる外部の委員会が不正の実態を調査していますが、会社の法令順守の姿勢が厳しく問われることになりそうです。
-- NHK NEWS WEB