ルネサンスの巨匠、レオナルド・ダビンチの作品の1つで、長らく所在がわからなくなり幻の作品とされた、イエス・キリストを描いた油絵がアメリカ・ニューヨークで公開されました。
この作品は、レオナルド・ダビンチが代表作の「モナリザ」に先立つ1500年ごろに制作した、「サルバトール・ムンディ」という油絵で、今月、ニューヨークでオークションにかけられるのを前に、3日、メディアなどに公開されました。
作品には、深い青色のローブを着たキリストが、祝福するように右手をあげ、左手に水晶を持っている姿が描かれています。
作品は17世紀にイギリス王室が所有していましたが、18世紀半ばに所在がわからなくなり、1900年に見つかったあともダビンチの作品ではないとされ、2011年にようやく専門家の鑑定によってダビンチのものと確認されました。
オークション会社によりますと、現存するダビンチの16点の作品のうち、この作品だけ個人が所有しているということで、今月15日に行われるオークションでは、1億ドルから1億5000万ドル、日本円でおよそ114億円から170億円で落札されると予想されています。
オークション会社の担当者は、「ここまで重要な作品を扱ったことはなく、どれだけの値段がつくのか想像もできない」と話していました。また、作品を見た男性は、「すばらしい作品で感動した。個人ではなく美術館が落札して、多くの人が名作に接することができるようにしてほしい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB