香川県の県立病院の医師が、昨年度(平成28年度)労使協定の上限を大幅に超えて年間2258時間の残業をしていたことが分かり、全国の自治体などの病院でつくる団体は「地方では医師不足が深刻で医師の長時間労働は香川県だけの問題ではない」と指摘しています。
香川県によりますと、県立丸亀病院の精神科に勤務する男性医師は、昨年度、労使協定で定めた年間の残業時間480時間を超える2258時間の残業を行っていたということです。
1か月の平均にすると190時間近い残業になり、過労死の危険性が高まるとされる「過労死ライン」の月80時間も大幅に上回っていたことになります。
この病院の精神科の医師の定員は9人ですが、実際に勤務しているのは7人で、男性医師を含む5人が当直に入っていたということです。
これまでに、健康被害などの訴えはないということです。
香川県では昨年度、丸亀病院を含む3つの県立病院の医師合わせて207人のうち20人が、年間1000時間以上の残業を行っていました。
自治体などの病院でつくる全国自治体病院協議会は、「将来のキャリアのため症例数の多い都市部の病院で勤務を希望する医師が多く地方では医師不足が深刻だ。医師の長時間労働は香川県だけの問題ではない」と指摘しています。
-- NHK NEWS WEB