海外旅行などの格安ツアーを手がけていた旅行会社、「てるみくらぶ」が経営破綻した問題で、この会社の67歳の社長らがうその書類を示し、銀行からおよそ2億円の融資をだまし取ったとして、詐欺などの疑いで警視庁に逮捕されました。
逮捕されたのは東京・渋谷区にあった旅行会社、「てるみくらぶ」の社長、山田千賀子容疑者(67)と、当時、経理責任者だった36歳の元社員の2人です。
警視庁の調べによりますと、2人は去年6月から9月にかけて、不正に融資を受けようと、「航空機のチャーターに金が必要だ」といううその請求書を示し、銀行からおよそ2億円の融資をだまし取ったとして、詐欺や有印私文書偽造などの疑いが持たれています。
「てるみくらぶ」はインターネットを通じて海外旅行などの格安ツアーを販売していましたが、資金繰りが悪化し、航空券が発券できないなどのトラブルも起きて、ことし3月に経営破綻しました。利用者が前払いした最大で99億円に上る代金のほとんどが返金されておらず、8万人から9万人に影響が及んでいます。
捜査関係者などによりますと、「てるみくらぶ」は営業を続けるため、実際は経営難だったにもかかわらず、4年ほど前から架空の利益を計上する粉飾決算を繰り返していたということです。
警視庁によりますと、調べに対し、2人はおおむね容疑を認めているということで、警視庁は2人がだまし取った金を会社の運転資金に充てていたと見て、当時の経営実態などについて調べています。
-- NHK NEWS WEB