海外旅行などの格安ツアーを手がけていた旅行会社、「てるみくらぶ」が経営破綻した問題で、この会社の67歳の社長らがうその書類を示し、銀行からおよそ2億円の融資をだまし取ったとして、警視庁は8日、社長ら2人を詐欺などの疑いで逮捕する方針です。
捜査関係者によりますと、東京・渋谷区にあった旅行会社、「てるみくらぶ」の山田千賀子社長(67)と当時、経理を担当していた30代の社員は、去年、不正に融資を受けようと、銀行にうその書類を示し、およそ2億円の融資をだまし取った疑いが持たれています。
「てるみくらぶ」はインターネットを通じて海外旅行などの格安ツアーを販売していましたが、資金繰りが悪化し、航空券が発券できないなどのトラブルも起きて、ことし3月に経営破綻しました。利用者が前払いした最大で99億円に上る代金のほとんどが返金されておらず、8万人から9万人に影響が及んでいます。
捜査関係者などによりますと、「てるみくらぶ」は営業を続けるため、実際は経営難だったにもかかわらず、4年ほど前から架空の利益を計上する粉飾決算を繰り返していたということです。
警視庁は、山田社長ら2人から事情を聴いていて、8日、詐欺や有印私文書偽造などの疑いで逮捕する方針で、当時の会社の経営実態などについて調べを進めることにしています。
-- NHK NEWS WEB