楽曲の著作権を管理しているJASRAC=日本音楽著作権協会は、国内で上映される外国映画の音楽の使用料がヨーロッパ諸国と比べて著しく安く、格差の解消が必要だとして、使用料の見直しを進めていることを明らかにしました。
JASRACによりますと、作詞家や作曲家などに代わってJASRACが徴収している外国映画の音楽の使用料は、全国の映画館などで作る業界団体との契約に基づいて、興行収入や上映回数などにかかわらず1つの作品当たり一律に18万円と定められています。
この額は、興行収入に応じて使用料が増える仕組みを用いているヨーロッパ諸国と比べて極めて低く、海外の著作権団体などから見直しを求める声が上がっているということで、JASRACは8日、開いた記者会見で、格差の解消に向けて、業界団体との間で見直しに向けた協議を進めていることを明らかにしました。
それによりますと、今後はヨーロッパ諸国と同じように興行収入に応じて使用料を徴収する仕組みに段階的に改め、興行収入の1%から2%程度を徴収したいとしています。
また、支払いを求める対象を現在の配給会社などから上映した映画館などに変更するよう要望しているということで、JASRACは今年度中に一定の合意を得たうえで、来年度から新たな仕組みを導入したいとしています。
JASRAC会長で作詞家のいではくさんは、会見で「創作には大きなエネルギーが必要で、努力に見合う適正な報酬が払われるべきと考えている。業界の知恵や映画ファン、音楽ファンの考えをお借りしてよい方向に解決できればと考えている」と話していました。
一方、業界団体の全興連=全国興行生活衛生同業組合連合会は「現在、協議を進めている問題で、コメントできない」としています。
-- NHK NEWS WEB