携帯電話最大手の「NTTドコモ」は、通信速度が格段に速くなる次世代の通信規格「5G」を活用して、細かい動作をリアルタイムで遠隔操作できる作業用ロボットなどを8日、公開しました。
このうち、鉄鋼大手の「新日鉄住金」などと共同で開発しているのは、危険な作業現場などで使う遠隔操作ができるロボットです。操縦する人は、頭や腕、指などにおよそ40個のセンサーを装着して、体を動かすと、ロボットはほとんど時間の遅れがなく、同じ動きをします。
一方、ロボットからは、目の部分にあるハイビジョンのカメラでとらえた周囲の映像が操縦者がつけているメガネ型の端末に送られるほか、指の部分が何かに触れるとその情報を操縦者に知らせます。
データのやり取りには、今の携帯電話より格段に通信速度が速く、3年後の実用化が見込まれている「5G」を使います。これによって、双方向からリアルタイムで複雑な操作や情報のやり取りが可能になるということです。
また、「凸版印刷」などと共同で開発しているロボットは、顔の部分にあるディスプレーに、遠隔操作している操縦者の顔や声が映し出されます。
一方、ロボットから操縦者には、周囲の映像や音声が届けられます。これによって、例えば、体の不自由な人の代わりにロボットが現地に出かけて、家族などと旅行を楽しむといった使い方を想定しているということです。
NTTドコモの担当者は「ビジネスや暮らしが大きく変わる5Gの可能性を多くの人に伝えていきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB