海外との貿易や金融取引などで日本がどれだけ稼いだかを示す、ことし4月から9月までの「経常収支」は、11兆5339億円の黒字で、年度の前半としては、いわゆるリーマンショック前の平成19年度に次ぐ10年ぶりの高い水準となりました。
財務省が発表した、ことし4月から9月までの今年度上半期の「経常収支」は、11兆5339億円の黒字となりました。
これは、年度の前半としてはリーマンショックの前の平成19年度に次ぐ10年ぶりの高い水準で、今の形で統計を取り始めた昭和60年以降では、2番目に大きい黒字になりました。
これは、海外からの利子や配当の受け取りに当たる「第1次所得収支」が10兆3823億円の大幅な黒字となったことが主な要因です。日本企業が海外への投資を進め、子会社などから受け取る配当が黒字をもたらしている形です。また輸出から輸入を差し引いた「貿易収支」も、自動車などの輸出が好調だったことから、2兆6869億円の黒字でした。
さらに日本を訪れる外国人旅行者が増加したため、「旅行収支」も8429億円の黒字で、過去最高となりました。
財務省は「日本の経常収支は、輸出による黒字よりも企業が海外に持つ子会社からの配当などに支えられる形に変化している。海外に投じた資産の量は急には変化しないので、今後も経常収支の黒字傾向は続くのではないか」と話しています。
-- NHK NEWS WEB