経営再建中の東芝のことし9月の中間決算は、本業でのもうけを示す営業利益が去年の同じ時期の2倍以上に拡大しましたが、売却を決めている半導体事業の好調によるもので、再建に向けた課題が改めて浮き彫りになりました。会見の中で、東芝は、株式の上場廃止を避けるために実施する半導体事業の売却が遅れる事態に備えて、資本増強策も検討していることを明らかにしました。
東芝が発表したことし4月から9月までの中間決算によりますと、売り上げは2兆3862億円と去年の同じ時期を5.1%上回り、営業利益は2317億円とおよそ2.5倍に増えました。
これはアメリカの投資ファンドを中心とする“日米韓連合”への売却が決まっている半導体子会社「東芝メモリ」の業績が好調だったためで、営業黒字だった部門が稼いだ利益のうち82%を「東芝メモリ」が上げています。
これに対し、東芝が今後の収益の柱に位置付ける社会インフラ事業の稼ぎは1%にとどまり、再建に向けた課題が改めて浮き彫りになっています。
東芝は、来年3月末までに東芝メモリを売却して債務超過を解消し、株式の上場廃止を避けたい考えですが、日本の独占禁止法にあたる各国の競争法の審査が間に合うかが不透明な状況です。
これについて、会見で平田政善最高財務責任者は「万が一、3月末までに売却が完了できなかった場合の備えとして、何らかの資本政策をやっていくことを検討している」と述べ、資本増強策を検討していることを明らかにしました。
-- NHK NEWS WEB