東日本大震災からの復興需要が落ち着きつつある中、被災企業の再建を支援する「グループ補助金」を受けた東北地方の事業者のうち、震災前より売り上げを伸ばした割合が、「旅館・ホテル業」ではピーク時から10ポイント以上減るなど、業種によって業績回復の鈍化がより鮮明になっていることが国の調査でわかりました。
この調査は、被災した企業の再建を支援する「グループ補助金」を受けた事業者を対象に、東北経済産業局が毎年、行っているもので、ことしは、東北地方で5912の事業者から回答を得ました。
それによりますと、売り上げの状況について、「震災前より伸びた」と答えた事業者は全体の30.8%、「震災前と同じ水準」は14.2%、「震災前より落ち込んだ」は55%でした。「震災前より伸びた」事業者の割合は、去年より0.4ポイント減って、おととし以来、2年連続で前の年を下回る結果となりました。
業種別に見ると、震災前より売り上げが伸びた事業者は、「旅館・ホテル業」で23%と、ピーク時の2年前に比べて11ポイント減ったほか、「建設業」も初めて前の年を下回るなど、7つある業種のうち5つで減りました。
これについて、東北経済産業局は「復興需要が落ち着きつつあるのに伴って、業績を押し上げられてきたホテルや建設業などで、業績回復の鈍化がより鮮明になってきている」
と話しています。
-- NHK NEWS WEB