ドイツで開かれている地球温暖化対策を話し合う国連の会議、「COP23」の会場で、アメリカのトランプ政権が、石炭や天然ガスなど化石燃料の重要性をアピールするイベントを開きましたが、多くの参加者から「身勝手すぎる」などと非難する声が相次ぎました。
「COP23」で、地球温暖化対策の国際的な枠組み、「パリ協定」からの脱退を改めて表明したトランプ政権は13日、会場で、石炭や天然ガスなど、化石燃料の重要性をアピールするイベントを開きました。この中で、アメリカ最大手の石炭会社の代表者が「世界は今後も石炭に頼らざるをえない」と指摘したうえで、温暖化の原因の一つとされ、二酸化炭素の排出量が比較的多いとされる石炭火力発電も最新の技術で排出量を大きく抑えられると強調しました。
また、トランプ政権で環境分野の特別補佐官を務めるデビッド・バンクス氏は「排出量に制限をかけると、アメリカの企業は中国などとの競争に負けて、多くの人が仕事を失う。トランプ大統領は雇用を守っているだけだ」と述べて、パリ協定からの脱退を表明した理由を説明しました。
しかし多くの参加者から「身勝手なことを言うな」などといった批判の声が上がり、抗議のために一部の参加者が立ち上がって、歌を歌って批判したことから会場は一時、騒然となりました。
会場の外でも、100人以上がデモを行い、「脱炭素を実現するため、世界各国が議論しているCOP23で、化石燃料の重要性をアピールするなんて正気の沙汰ではない」などといった非難の声が相次ぎました。
-- NHK NEWS WEB