民進党、共産党、自由党、社民党の野党4党は、カジノを含むIR=統合型リゾート施設の整備を推進する法案の成立を阻止しようと、安倍内閣に対する不信任決議案を衆議院に共同で提出しました。これに対して自民党は、国会の会期を3日間再延長したうえで、不信任決議案を否決し、法案を可決・成立させる方針で、最終盤の与野党の攻防が激しさを増しています。
第192臨時国会は14日、会期末を迎え、焦点となっていたカジノを含むIR=統合型リゾート施設の整備を推進する法案は14日夜、参議院本会議で修正のうえ採決が行われ、自民党と日本維新の会などの賛成多数で可決されて、衆議院に送り返されました。
このため、衆議院議院運営委員会は理事会を開いて法案の取り扱いを協議し、自民党が「今夜、本会議を開き、直ちに採決したい」と提案したのに対し、民進党は「慎重な審議が必要だ」として折り合わず、佐藤委員長が職権で法案の採決を行うことを決めました。
これを受けて、民進党、共産党、自由党、社民党の野党4党は、法案の成立を阻止しようと、午後8時すぎ、安倍内閣に対する不信任決議案を衆議院に共同で提出しました。
決議案では、「わずかひと月の間に、TPP協定、『年金カット法案』、『カジノ法案』と、3度も強行採決を繰り返し、国会軽視が甚だしいうえ、国権の最高機関である立法府を内閣の下請け機関としか見ない、安倍政権のおごり高ぶった姿勢は断じて容認できない」などとしています。
これに対し自民党は、法案の成立に万全を期したいとして、14日までの会期を17日までの3日間再延長するよう、大島衆議院議長に申し入れました。
衆議院議院運営委員会は、午後10時から開く衆議院本会議では、民進党など野党4党が提出した安倍内閣に対する不信任決議案のみ採決を行い、大島衆議院議長に対する不信任決議案や、佐藤議院運営委員長と秋元内閣委員長の解任決議案は取り扱わないことを決めました。
自民党は衆議院本会議で、会期の再延長を正式に議決したうえで、安倍内閣に対する不信任決議案を否決し、法案を可決・成立させる方針で、最終盤の与野党の攻防が激しさを増しています。
-- NHK NEWS WEB