日産自動車は、出荷前の検査を資格がない従業員にさせていた問題で、社内調査の報告書を国土交通省に提出しましたが、経営陣の明確な処分には踏み込みませんでした。会社は再発防止を徹底していくとしていますが、信頼回復に向けた姿勢が厳しく問われることになります。
日産自動車は17日、国が義務づけている出荷前の検査を資格がない従業員にさせていた問題について、社内調査の報告書を国土交通省に提出しました。報告書では、不正は38年前から行われていた可能性があり、検査員の不足や、本社が工場の検査に対し意識が低いことが不正につながったとして、役員の責任は極めて重いと結論づけました。
日産の西川廣人社長は、報酬の一部を自主的に返納するとしましたが、ことし3月まで社長を務めていたカルロス・ゴーン会長も含めた、経営陣の明確な処分には踏み込みませんでした。不正を受けて、会社は再発防止を徹底していくとしていますが、消費者からの信頼回復に向けて日産の姿勢が厳しく問われることになります。
一方、報告書では国の定期的な監査があるときだけ、資格のない従業員をラインから外すなど不正を隠そうとしていたことも明らかになり、国土交通省は今後は抜き打ちで監査を実施するなど、制度の見直しも検討する方針です。
-- NHK NEWS WEB