経営再建中の東芝は、60に上る海外の投資ファンドから総額6000億円の出資を受けて資本増強を行うと19日夜に発表しました。これによって、東芝は、来年3月末までに財務が改善され、株式の上場廃止は避けられる見通しになったとしていますが、経営の再建にはなお課題が残されています。
東芝は、負債が資産を上回る債務超過を来年の3月末までに解消して株式の上場廃止を避けるため、半導体子会社の売却を決めていますが、売却を認めるかどうかを判断する各国の競争法の審査が間に合わないおそれもあります。
このため、東芝は19日夜、取締役会を開いて、来月、6000億円規模の資本増強を行うことを決めたと発表しました。新たに出資するのは合わせて60に上る海外の投資ファンドで、東芝の株式の数はおよそ1.5倍に増加し、今の株主にとっては発言力が低下する形になります。
これについて、東芝は、ファンドが出資する目的は、株価が上昇したところで最終的に売却して利益を得る純投資であり、経営への影響力を持つことは想定していないと説明しています。ただ、「物言う株主」として話題を呼んだ旧・村上ファンド出身の投資家が設立したシンガポールの投資ファンド、「エフィッシモ・キャピタル・マネジメント」が東芝の筆頭株主となっていて、今後の対応が注目されます。
東芝は、今回の資本増強によって来年3月末までに債務超過を解消し、株式の上場廃止は避けられる見通しになったとしていますが、財務を抜本的に改善するため半導体子会社の売却を急ぐことにしています。
-- NHK NEWS WEB