安倍総理大臣は15日午後、日本を訪れるロシアのプーチン大統領と、地元の山口県で首脳会談に臨みます。会談では、北方四島での共同経済活動や人の自由な往来の実現に向けて意見が交わされる見通しで、安倍総理大臣は、北方領土問題を含む平和条約交渉の前進を目指し、首脳どうしの政治決断で具体的な合意点を見いだしたい考えです。
安倍総理大臣は15日午後、日本を訪れるロシアのプーチン大統領と、地元の山口県長門市の温泉旅館で首脳会談に臨みます。
安倍総理大臣とプーチン大統領の首脳会談は、第1次安倍内閣を含めると16回目で、ことしは4回目です。
また、プーチン大統領の日本訪問は、首相を務めていた2009年5月以来で、大統領としては11年ぶりになります。
会談は、日本側から岸田外務大臣や世耕ロシア経済分野協力担当大臣、ロシア側からラブロフ外相らが同席して少人数で行われるものに加え、通訳だけを交えた会談、それに夕食をとりながらの会談も予定されています。
一連の会談で安倍総理大臣は、新しい発想のアプローチに基づき、北方四島の帰属の問題を脇に置いて、まずは四島での共同経済活動や人の自由な往来の実現に向けて意見を交わすものと見られます。
ただ、これまでの協議で、ロシア側が、北方領土では自国の法律の下で共同経済活動を行うよう求めているのに対し、日本側は、日本の法的な立場が侵されかねないとして慎重な姿勢を示して、折り合いはついておらず、両政府は14日、東京で次官級の非公式協議を行うなど、首脳会談の直前まで調整を続ける見通しです。
安倍総理大臣は、共同経済活動などによって、四島に住むロシア人と元島民ら日本人との関係を構築することを通じて、70年余り進展が見られなかった領土交渉の前進につなげたいとしていて、首脳どうしの政治決断で具体的な合意点を見いだしたい考えです。
一方、両首脳は16日、東京に移動して改めて会談する予定で、先に安倍総理大臣が提案した8項目の経済協力プランをめぐって、政府間や企業間でこれまでに合意できた内容を確認することにしています。
-- NHK NEWS WEB