戦時中にオーストラリア政府が現地に進出していた日本企業から接収した業務記録や写真などが日本に寄贈されることになり、21日、両国の関係者が出席して記念式典が開かれました。
寄贈されるのは、太平洋戦争中にオーストラリア政府が、現地に進出していた日本企業12社から接収した業務記録や写真などおよそ3300箱分で、日本に寄贈される戦時中に接収された資料としては過去最大の量になります。
資料が寄贈されるのを前に、21日、首都キャンベラで記念式典が開かれ、両国の関係者およそ40人が出席しました。
式典であいさつした日本の草賀純男大使は「寄贈資料によってオーストラリアで活動していた日本の企業や日本人についてより幅広く理解することができる。今回の寄贈は、戦後、両国の関係がいかに深まり、多角的になったかを表している」と、感謝の言葉を述べました。
寄贈品の中には、日本企業が取り引きしていたと見られる繊維に関する資料や社員の日記なども含まれていて、当時のオーストラリアにおける日本企業や日本人社会の様子をうかがい知ることができるということです。会場には、寄贈される資料の写真が展示され、訪れた人たちが興味深そうに見入っていました。
寄贈される資料は先月、日本の国立公文書館にすでに送られていて、来年3月に正式に寄贈の手続きが行われたあと、1年以内に一般公開されるということです。
-- NHK NEWS WEB