流通大手「イオン」が、週刊文春に掲載された食品に関する記事や広告の見出しで名誉を傷つけられたと訴えた裁判で、2審の東京高等裁判所は、見出し以外は真実だと認め、賠償の額を1審の2400万円から110万円に減らす判決を言い渡しました。
4年前、三重県の卸売会社が産地を偽装していたコメがイオンで販売された弁当などに使われていたことをめぐり、週刊文春は「『中国猛毒米』偽装イオンの大罪を暴く」という見出しで広告を出し、記事を掲載しました。
イオンは1億6500万円の賠償などを求める訴えを起こし、1審の東京地方裁判所は見出しや記事の一部が真実とは認められないとして文藝春秋に2490万円余りの賠償を命じました。
22日の2審の判決で東京高等裁判所の野山宏裁判長は、記事の内容は真実だとして1審の判決を変更したうえで「食品の安全に関して問題を提起する良質の言論で、裁判を起こすことで萎縮させるのではなく、言論の場で論争を深めていくことが望まれる」と指摘しました。
一方で、広告の見出しを見た人にコメに猛毒が含まれていたという誤った印象を抱かせるとして、文藝春秋に対して110万円の賠償などを命じました。
-- NHK NEWS WEB