また、ものづくりの現場で不正です。今度は大手金属メーカー、三菱マテリアルの2つの子会社が、ゴム製品と銅製品の強度などの検査データを改ざんしていました。神戸製鋼や日産自動車、SUBARUに続く不正。日本のものづくりの現場に何が起こっているの?
Q:今度は、何をしていたの?
A:不正があったのは「三菱電線工業」の和歌山県の工場と「三菱伸銅」の福島県の工場。ゴム製品や銅製品の一部が、強度や寸法などの基準を満たしていないのに、満たしているかのように検査のデータを改ざんして、取引先に出荷していました。
Q:それって神戸製鋼の不正と同じ、ですよね?
A:検査データの改ざん、ということでは、同じ不正ですね。
Q:どこに使われている製品なの?安全なの?
A:三菱電線工業は「シール材」というゴム製品。配管などを密封して油や水、空気が漏れ出さないようにする製品で、航空機や自動車など幅広い分野で使われています。
おととし4月からことし9月までに出荷した製品のおよそ20%にあたる2億7000万個で不正があった可能性があります。出荷先は、229社に上る可能性があるといいます。
三菱伸銅は、10月17日までの1年間に製造した銅製品で、主に自動車や電子機器の部品として使われ、出荷先は29社に上る可能性があるとしています。
会社側は出荷先へ不正を説明して安全性の検証を進めることにしています。これまでのところ安全性に問題があるケースは確認されていないと話しています。
Q:不正が見つかったのは、ことし2月だったというじゃないですか!
A:三菱電線工業は、ことし2月に社内の調査で不正が発覚し、3月に経営陣に報告。それから不正があった製品を特定する作業などを進め、出荷を停止したのは、およそ8か月がたった10月23日でした。そして、親会社の三菱マテリアルに報告したのは10月25日になってからでした。
一方、三菱伸銅は10月16日、社内調査で不正が発覚。3日後の19日に親会社に報告。
三菱マテリアルは、子会社から報告を受けてから、およそ1か月たった11月23日、ようやく不正の事実を公表しました。
-- NHK NEWS WEB