新しい技が次々と開発され体操競技の判定が難しくなる中、AI=人工知能と赤外線のレーザーを使って選手の演技を正確に判定しようというシステムの開発が進められています。3年後の東京オリンピックでの実用化を目指すこのシステムが24日、公開されました。
大手電機メーカーの富士通が開発を進めているこのシステムは、体操競技で新しい技の開発が進み、人間の目による判定が難しくなる中、AIと赤外線レーザーで演技を判定し、審判が行う採点を支援しようというものです。
具体的には、選手の体全体を含む一定の範囲に230万か所に上る赤外線のレーザーを当てて選手の動きを捉え、3次元の画像にリアルタイムで変換して、モニターに映し出します。その画像をもとに、AIが体の向きやひねりの回数などをそれぞれの技の採点基準と照らし合わせ、演技の完成度を判定します。
24日は、跳馬の演技を判定するデモが公開されました。選手の動きを分析した画像がモニターに映し出され、跳躍の高さが瞬時に計算されました。日本体操協会の遠藤幸一常務理事は「技の難易度が上がって、瞬時に判定することが難しくなっている。自分たちが行ってきた判定と、機械による判定がどこまで等しくなるか、楽しみであるのと同時に、演技のエレガンスさなど数字に表れない部分をどう判定していけるのか、懸念もある」と話しています。
富士通では、システムの精度を高めて、3年後の東京オリンピックでの実用化を目指したいとしています。
-- NHK NEWS WEB