二酸化炭素に価格をつけ企業などが排出量に応じてコストを負担することで地球温暖化対策を進める、「カーボンプライシング」の本格的な導入に向けて、国の検討会は、石油や石炭に課税する「炭素税」など3つの制度を軸に検討するという方向性をまとめました。
地球温暖化対策を進めるため、環境省は、二酸化炭素に価格をつけて企業などが排出量に応じてコストを負担する「カーボンプライシング」を日本に本格的に導入する必要があるとして、専門家による検討会を設置し議論を重ねてきました。
その結果、検討会は、「カーボンプライシング」に含まれる制度のうち、石油や石炭などに課税する「炭素税」や企業の排出量に上限を設け過不足分を取り引きする「排出量取引」、それに石炭を使うなど排出量を増やす行為を法律や条例で制限する「直接規制」の3つの制度を軸に検討するという方向性をまとめました。特に「炭素税」と「排出量取引」は、幅広い業種が対象となり公平性を保てるほか、減税などと同時に行うと経済成長も期待できることから、この2つの制度を組み合わせる案も提示されています。
検討会の座長で日本社会事業大学の神野直彦学長は「『カーボンプライシング』の導入に向けた議論を深めることで、国民の環境問題に対する意識を高めていきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB