5年前中央自動車道の笹子トンネルで天井板が崩落し9人が死亡した事故で、山梨県警はトンネルの管理会社の前社長や元専務、それに点検計画を作成した支社や子会社の当時の役員ら合わせて8人を、30日にも業務上過失致死傷の疑いで書類送検する方針を固めました。
平成24年12月、山梨県大月市の中央自動車道の笹子トンネルで、天井板が140メートルにわたって崩落し、3台の車が巻き込まれて9人が死亡しました。
山梨県警が捜査を進めたところ、事故の3か月前に行われたトンネルの点検では、当初は、天井板を固定するボルトの周辺をハンマーでたたいて異常がないか確認する「打音検査」などが行われる予定でしたが、点検の2か月前に、ほかのトンネルなどの検査を優先させるため目視で点検する方法に簡略化されていたことがわかりました。
警察は、事前の点検が不十分だった疑いがあると判断し、トンネルを管理する「中日本高速道路」の前社長と元専務、点検計画を作成した「中日本高速道路八王子支社」の当時の責任者ら2人、それに道路の保全を請け負う子会社の「中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京」の元社長や元副社長ら4人の合わせて8人を、30日にも業務上過失致死傷の疑いで書類送検する方針を固めました。
事故をめぐって遺族が起こした民事裁判では、おととし中日本高速道路などに4億4000万円余りの賠償を命じる判決が出た一方、当時の役員らを訴えた裁判では、役員らは事故を予測できなかったとして訴えが退けられています。
検察は、今後処分を検討することにしています。
-- NHK NEWS WEB