NHKが去年までの3年間に総務省に届けられた政治資金収支報告書を調べたところ、国会議員が関係する少なくとも55の政治団体が、クレジットカードで物品などを購入した場合に、支出先としてカード会社しか記載せず、政治資金が最終的にどこで使われたのか分からない状態になっていました。専門家は「カードの支出明細を提出するなど使いみちを透明化するために総務省などが厳しく指導すべきだ」と指摘しています。
政治資金規正法では、国会議員が関係する政治団体が人件費を除いて1万円を超える支出をした場合は支出先の名前などを収支報告書に記載することが義務づけられています。
しかしクレジットカードによる支払いの場合は、直接的な支出先がカード会社となり、政治資金が何に使われたのか分からなくなるため、総務省はクレジットカードで何をどこで購入したのかも合わせて記載するのが望ましいとしています。
こうしたクレジットカードによる支出について、NHKが去年までの3年間に総務省に届けられた政治資金収支報告書を調べたところ、少なくとも51人の国会議員が関係する55の政治団体が、クレジットカードで物品などを購入した場合に支出先としてカード会社しか記載していなかったことが分かりました。
その数は、合わせておよそ1200件・6000万円余りで、多額の政治資金が最終的にどこで使われたのか分からない状態になっていました。
またICカードによる支出についても、現金をチャージした際の支出しか収支報告書に記載せず、ICカードで何を購入したのか分からないケースもありました。
これについて、政治資金に詳しい日本大学の岩井奉信教授は、「カードで支払うケースは増えているが、支出の明細などはインターネットで簡単に得ることができる。政治資金の使いみちを透明化するためにも総務省などが厳しく指導すべきだ」と指摘しています。
-- NHK NEWS WEB